昨年中学受験を終え、息子はこの春から私立の中高一貫校へ通っています。
今後中学受験をお考え、あるいは受験真っ盛りの親御様、実際に中学受験で使った参考書の中から、親子で特に高評価と思った参考書を厳選して紹介したいと思います。各教科(国語を除く)で、役立った順に紹介しています。
よろしければ参考にして下さい。
目次
中学受験対象レベル
参考にしてもらうにあたり、こどもが受験した学校のおおまかな偏差値レべルを参考に紹介します。同じ学力レベルのお子様であれば、より参考になると思います。
サピックス | 四谷大塚 | 日能研 | 首都圏模試 |
55前後 | 60前後 | 60前後 | 70前後 |
中学受験おすすめ参考書
それでは早速、国語を除く、算数・理科・社会について紹介します。
算数
まずは、中学受験で最も大事とも言える算数から3冊を紹介。この3冊をやり切れば、算数の他の参考書は不要と思っています。
中学入試 算数 超頻出テーマ50 解法のコツ
出版社:KADOKAWA |
発売日:2016/2/10 |
ページ数:336ページ |
著者:英進館算数科 |
定価:1,980円(税込み) |
ISBNコード:9784046008305 |
上位校を狙う方は必携でしょう。問題集としてのペースメーカー的利用、苦手箇所克服のための参考書、どちらの用途としても使い易いです。
問題レベルとしては「難関中学校の基礎固め」と言えるでしょう。
我が家では、親が50テーマを一通り解きました。その後こどもと一緒に勉強で使用、質問を受けた時にも迷わずアドバイスでき、親子ともどもフルに活用しました。
中学受験の算数は本当に特殊な要素が多く、学校では習わないことがたくさん出てきます。そうした重要な解法パターンがほぼ網羅されており、この1冊をやり切れば、それだけでかなりの部分をマスターできると言えます。
本の構成は50のテーマに分類。各テーマの最初で「要点整理」があり、テーマで必要とされるポイントが要領よくまとめられています。このポイント部分は、最初にこの参考書に取りかかる際に見るだけではなく、後で復習や総まとめの際に、ポイントを拾っていく上でもすごく役立ちます。
テーマのポイントに沿った「例題」で実際の解法のコツを確認しますが、例題といってもそれなりの内容・良問ぞろいです。「演習問題」は、「基本」「標準」「発展」の3段階に分かれていますが、「標準」でも、決して易しい問題ではありません。
受験レベルに合わせて「基本」だけ、「標準」まで、あるいは「発展」までという具合いに使い分けするのが良いと思います。4年生あたりから繰り返しステップアップで活用するにも最適だと思います。
我が家の場合は「発展」はあまり手を付けておらず、「標準」までを一通りおこない、テーマによって「発展」まで解くように使っていました。
別冊解説も詳しい説明がされています。とにかく一押しです。
中学入試 算数 塾技100
出版社:文英堂 |
発売日:2016/7/8 |
ページ数:208ページ |
著者:森 圭示 |
定価:2,090円(税込み) |
ISBNコード:978-4-578-21611-7 |
こちらの参考書も上位校を狙う方には必携です。
問題レベルは「難関中学校の基礎固め」と言えます。
「中学入試 算数 超頻出テーマ50 解法のコツ 」と両方揃えておけば万全。我が家では、こちらの参考書を補完用に活用しました。どちらか1冊というなら、こちらの方がテーマはより網羅されていることは確かです。
入試に頻出の解法パターンが100についてまとめてありますが、「100」と聞くと人によってはややボリュームが多く聞こえるかもしれません(このため、我が家ではサブとしていました)。中学受験を見据えた4年生頃から始めれば、計画的に、また繰り返しで学習するのに、とても良いボリューム感かなと思います。
「中学入試 算数 超頻出テーマ50 解法のコツ」と同様に、 見開きで1つのテーマが完結するように作られており、とても使いやすい構成です。
「入試問題で塾技をチェック!」「チャレンジ!入試問題」では、入試頻出の問題が厳選されており、どれも良問ぞろいでいわゆる「パターン化」学習に最適な参考書です。
別冊解答には問題も掲載されているため、確認用にこれを単独で持ち運びすることも可能になっています。
中学受験のための1日5題 まいにち算数: 90回でほんもの実践力!
出版社:みくに出版 |
発売日:2015/9/4 |
ページ数:126ページ |
著者:みくに出版編集部 |
定価:1,100円(税込み) |
ISBNコード:978-4-8403-0579-2 |
問題集です。
特徴は中学入試の前段で出てくる大問1・2あたりの問題が厳選してあり、どの問題も良問です。そうした点で、色々と活用の仕方を考えると、多方面で使える問題集です。
ページ数があまりないため、ボリュームに圧倒されることもありません。1回5題(計算3題、文章題1題、図形1題)の構成で、徐々に難しくなる3段階方式(ホップ・ステップ・ジャンプ)になっています。
我が家では、受験が近づいてきた時期、毎朝学校に行く前の日課として活用しました。受験前の時期では1日1回分だけの活用では物足りないため、数回分をまとめて解いていました。
毎日同じリズムで定期的にステップアップする方針で作成されていますので、チャレンジする学年や時期に応じて、問題を解く量を調整するなど、とても使い勝手が良い問題集だと思います。
理科
続いて、理科は5冊をご紹介します。
中学入試 理科 塾技100
出版社:文英堂 |
発売日:2016/7/8 |
ページ数:208ページ |
著者:森 圭示 |
定価:2,200円(税込み) |
ISBNコード:978-4-578-21610-0 |
算数で紹介したものと同じシリーズ、上位校を狙う方は必携。
算数同様に、厳選したよく出るパターンの問題を解くことで、しっかり身につけて高得点を目指します。
我が家では、苦手な箇所やテストで間違えた問題箇所の復習に利用していました。中でも「物理」「化学」の分野でよく利用していました。両分野はどちらも「算数」的な要素が多い分野と言え、代表的なパターン化問題を身につけるという点で、算数と共通点があり、使い易いと感じました。
「物理」「化学」の苦手克服には特にオススメできる参考書です。
一方、「生物」と「地学」分野において、もちろん内容は十分です。特に植物・動物については、図が豊富に掲載されており、図鑑としても利用できるくらい内容の濃い参考書です。
理科メモリーチェック (チェックシリーズ)
出版社:みくに出版 |
発売日:1999/8/10 |
ページ数:160ページ |
著者:日能研教務部 |
定価:990円(税込み) |
ISBNコード:978-4-89524-987-4 |
毎日の繰り返し用の問題集中心の参考書です。
こちらのテキストは「日能研」の副教材として使われるものですが、一般にも売っていて通信販売で購入可能です。
理科の学習内容を62テーマに整理し、受験でよく出る重要ポイントをコンパクトな板書形式にまとめた「要点のまとめ」と、典型的な基本問題を集めた「ポイント・チェック問題」との見開き2ページで構成されています。また、弱点診断テストで自分の弱点分野をつかみ、そのテーマを重点的に押さえるといった構成になっています。
問題は基本的な重要ポイントがもれなく載せてあるため、逆に言えば、ここに出てくる問題は完全に解答できるようにすることが大切です。そのため、徹底的に繰り返して解くのに適した参考書と言えます。
解答が記入できる専用のノート「理科メモリーチェックノート」というのがあり、出版元の「みくに出版」のWebShopで購入が可能です。ノートのお値段もリーズナブルですので、こちらを購入して問題を解くこともオススメです。
我が家では3回繰り返して解きました。その時のノートも3冊あります。後で見返すと、最初はどこで間違っていて、それが回数を重ねることで、どんどん高得点になることが実感できます。そうした自信を持たせる意味でも、繰り返し教材として適したオススメの参考書と言えます。
楽しくおぼえてアタマに残る 謎解き 理科用語
出版社: かんき出版 |
発売日:2017/12/20 |
ページ数:208ページ |
著者:辻 義夫 |
定価:1,430円(税込み) |
ISBNコード:978-4-7612-7306-4 |
要点確認向けの参考書です。ただ、オーソドックスな参考書とは少し異なり、生きた知識を楽しく吸収できるよう工夫されています。
最初の見出しに関してクイズ形式の例題があり関心を惹きつけます。その後は対話形式で「頭のよくなるポイント」や「できる子の覚え方」というシンプルで覚え易い内容で整理されています。
こうした構成は、最難関中学を目指す塾の指導教員である著者の経験に基づいて、非常に考え抜かれた末にたどり着いた成果であると言えます。一人一人の学力を伸ばすために、どうやったら楽しく勉強ができるかを研究し、そのためのメソッドで作成されているものです。
この本で扱っている「用語」は、もちろん受験に頻出のものばかり。「さくいん」もついており、わからない用語もすぐに調べられる使い易い構成です。
我が家では、毎晩寝る前の軽い読み物的に利用していました。親が出題しても良いし、一人で気軽に読み進めるのも良し。暗記要素が多い理科の科目では、こうした要点確認をサッとできる参考書も1冊揃えておくと役立ちます。
中学入試 理科のまちがえるところがすっきりわかる
出版社: 旺文社 |
発売日:2011/6/24 |
ページ数:143ページ |
著者:旺文社 |
定価:968円(税込み) |
ISBNコード:9784010109533 |
要点確認向けの参考書です。
この本の特徴は、「まちがえやすい」問題をギュッと絞り込み、参考書の前段でどういう分野が苦手かを確認します。確認ポイントは「あえて」あまり多くないように設計されており、大変コンパクトに構成されています。
中学入試では,苦手分野を作らないことが大切。この本では,基礎となる問題だけを重点的に選び、さらにその中でも受験生がまちがえやすいポイントを厳選して丁寧に解説しているつくりになっています。
単元ごとに「チェック問題」と「おためし入試問題」が掲載されており、入試に「でる度」+「まちがえるところ」を素早くチェックする「スピードチェック」が付いています。
我が家では、受験近くの総復習の段階で利用しました。コンパクトで問題も厳選してあるため、素早くポイント確認や総点検する教材として利用しやすいと思います。
理科実験資料集 改訂新版
出版社: 日能研 |
発売日:2015/2/15 |
ページ数:96ページ |
著者:日能研教務部 |
定価:1,650円(税込み) |
ISBNコード:9784840305662 |
理科の実験にフォーカスしたオールカラー写真の参考書です。日能研の副教材として利用されているものですが、我が家は必携だと思っています。
最近の中学受験では、実験や観察の問題が数多く出題されているのが特徴。写真、図、グラフが多用され、ひとつの問題が次の問題へと継続・発展するパターンが多く、いろいろな角度から問いがつくられています。
こうした問題のつくりは、いわゆる上位校ほど顕著な傾向だと思っています。こうした問題に対しては、単なる暗記だけではたちうちできません。資料集で実験のようすや観察の着眼点などを確実に押さえておくことが必要です。
この参考書には、実際には簡単に見ることができない植物の断面や季節の星座、その場所へ出かけなくては見られない特異な地質、家ではできない実験の工程など、入試によく出るさまざまなものの写真や図版がそのポイントととも掲載してあり、目で見て理解することができます。
また、実験の目的の一つでもある「比較」「分類」に重点を置いた構成は大変すばらしいと思います。実験は「仮説」と「検証」を実証するためのもの。どういう結論を導き出したいか、そのためになぜ条件を変えて実験するのか。そうした点をきちんと考えさせてくれる参考書です。
オールカラー版、美しい写真が満載で、実験器具の形状、薬品・炎などの色までしっかりと理解できます。
社会
最後は社会、4冊を紹介致します。
サピックスメソッド社会コアプラス 中学入試小5・6年生対象
出版社: 代々木ライブラリー |
発売日:2011/2/1 |
ページ数:182ページ |
著者:進学教室サピックス小学部 |
定価:1,572円(税込み) |
ISBNコード:9784863463011 |
問題集がメインの参考書です。サピックスの副教材ですが、一般書店や通信販売でも購入可能です。
サピックスでは、4・5年生で地理、5・6年生で歴史、6年生1学期で公民を学習し、夏休み以降は、反復学習による基礎力の補強、また学校別の対策に取り組んでいます。その際の通常授業で使われるテキストではなく、補強用の教材として用いられるものです。
サピックスの教材は基本的に塾内でオリジナルに作られるものですが、それは「サピックスメソッド」として、豊富な知識・経験と分析に基づいてよく研究され作られたものです。
サピックスの通常授業で使われる教材は、もちろんそうしたノウハウがびっしり詰まった質の高いものと言われますが、同様のメソッドを前面に打ち出しながら市販化されているテキストは、実はあまり多くありません。この「社会コアプラス」は、その数少ないサピックスメソッドを歌った参考書。
実際のところ、実は我が家では親の方がこれで勉強し、こどもが苦手な箇所やテストで間違ったところをアドバイスするような使い方をしていました。
白地図トレーニング帳―中学入試小4~6年生対象
出版社: 代々木ライブラリー |
発売日:2011/7/1 |
ページ数:115ページ |
著者:SAPIX小学部 |
定価:1,100円(税込み) |
ISBNコード: 9784863463059 |
地理を中心とした書き込み式の問題集です。
「地図問題」というのは、地理に限らず歴史などでも多く出題されるものです。この問題集はそうした地図問題に特化した書き込み式の問題集で、是非、揃えて頂きたい参考書と言えます。
日本の地形、地名、都市、産業などの場所を地図から選ぶ問題は必ず出題されるでしょう。ありとあらゆる地図問題のテーマが載っており、地図を結びつけた「生きた知識」が身につけられる必携の良書だと言えます。
小学4年生頃から手を動かしながら覚えていくことで、楽しみながら自然と知識が吸収される地図問題集の定番と言えます。
もちろん我が家でも、なかなか覚えきらない地図テーマ問題を、実際に手を動かしながら作成して覚えるように頑張りました。やはり自分で工夫して地図を作成したものは知識に入りやすく、記憶も確実に定着します。
社会メモリーチェック 2021年資料増補版
出版社: みくに出版 |
発売日:2021/7/26 |
ページ数:208ページ |
著者:辻 義夫 |
定価:1,430円(税込み) |
ISBNコード:978-4-7612-7306-4 |
理科同様のメモリーチェックは、繰り返し用の問題集中心の参考書です。
学習内容が80のテーマに分けられ、それぞれ「要点のまとめ」が左ページに、「ポイント・チェック問題」が右ページの見開きに簡潔にまとめられています。「要点のまとめ」は、入試でよく問われる重要なポイントを短期間で復習できる量にまとめられ、「ポイント・チェック問題」は学習内容のチェックが効果的にできるよう、キーワードの穴埋め形式を中心に構成されています。
余談ですが、「メモリーチェック」とは、その名の通り、記憶した点の確認です。理科や社会では、どうしても暗記問題は避けて通れません。なるべく体系立てて覚えるにしても、ある程度の暗記は仕方ありません。そうした暗記ものというのは、やはり国語や算数と違って、間が空いてしまうと少しずつ忘れてしまうものです。
そうした記憶の確認をおこなうためのチェック、少しでも定着させるための繰り返し学習、受験の直前でも無理なくできるような工夫をコンセプトに作成されている参考書です。
我が家でも、理科同様に受験の近づいてきた時期に全3回をこなし、知識の定着を図ました。
日本史資料集 改訂第4版
出版社: みくに出版 |
発売日:2012/9/1 |
ページ数:128ページ |
著者:日能研教務部 |
定価:1,320円(税込み) |
ISBNコード:9784840304917 |
補助教材、その名の通り資料集です。ただ、歴史上のものや人物の写真・図の選択といった問題も結構出題されるので、手元にはおいておくのが良いでしょう。
資料は、時代の変わり目となったできごと、各時代を象徴するできごとがわかる年表を中心にした写真や図版を満載した「年表編」、入試によく出る史料(写真・図)およそ80点をくわしく解説した「史料編」から成ります。
写真や図は一度でも目にすれば、割と記憶には残りますが、見たことがなければ話になりません。やはり社会を勉強する上での副教材としては必携の一冊かと思います。
最後に
実際に中学受験を経験した上で、特に「良かった」と思えるものを親子で厳選しました。
中学受験を考えている小学校中学年位のご家庭には、今からこれを使って勉強していけば、きっと良い結果に結びつくと信じています。
小学校高学年でいよいよ受験というご家庭でも、まだお手元にない方は、参考にしてみて下さい。
また、実際の入試に出題された約90校分の国語の漢字問題を作成しています。よかったらご覧ください↓。