2021年4月、企業に70歳まで働けるような環境を作る努力を求める「70歳就業法」が施行されました。
健康寿命が伸びている今、社会ではシニア世代の活躍が今後ますます期待されています。その中で、定年後に起業する方も増えています。これからの社会でシニアに求められることについて考えてみたいと思います。
目次
シニアに求められる人材
「シニア」は一般的には65歳以上を指すことが多いようです。いわゆる定年を向かえた層と言えるでしょう。さて、シニア世代に求められている社会的役割は何でしょうか?
まずは今のシニア世代で需要がある人材について見ていきましょう。
経験を柔軟に活かせる人
若年層に比べ、当たり前ですがシニアはたくさんの事を経験しています。それはとても価値のあるもの。
ただ、自分のやり方や経験したことを「ただ押し付ける」だけだと、一緒に仕事をしづらい人と感じられてしまうことも多くあります。自分の豊富な経験をいかに世代や環境に柔軟に活かすか、そして「時代に合った価値を提供できる人」が求められています。
1つの仕事のプロフェッショナル
日本の「高度成長期〜バブル期」を支えてきたシニア世代は、同じ会社で1つのことを深く経験してきているケースが多く見受けられます。
そうした経験からの高い専門性には、当然時代に共通して高い価値があります。どの業界でも、その「業界のプロ」としての仕事ぶりを必要とする場所はまだまだたくさん存在します。
マネジメントができる人材
シニア世代には、若い人をまとめて仕事を円滑に進めていくマネジメント力が求められることが多くあるでしょう。そのため、「マネジメント力のあるシニア人材」は、総じて、どの業界でも高い需要があります。
シニアが求められる分野
最近、シニアでも起業する方が増えてきていますが、どのような分野で需要が高いのでしょうか?
自身の経験のある業界
シニア世代が若年層と大きく違うのは、たくさんの経験を積んでいるという点です。同じ仕事を長くやっている方の場合、その経験値を活かした仕事が、まずは何より成功の確率は高いでしょう。
ただ、一般的な起業の場合では、これまで会社にいた時のような規模の仕事をいきなり受注することは難しいです。そのため、あくまで今の業界をどのようにサポートすべきかを考え、経験能力を発揮することが重要です。
面倒なことをサポートする仕事
現在、世の中や企業はどんどん効率化を求めています。
しかし、まだまだ機械や自動化では対応できないマニュアルな仕事も数多くあることも事実。手間のかかる面倒な内容はアウトソーシングする風潮が一段と強まっており、誰かが代わりにやってほしいと思うことを先んじて考えて提案できれば、ビジネスチャンスに多くめぐり合うでしょう。
また、ワークライフバランスの高まりから、変則的な時間勤務や不規則な勤務形態はどんどん敬遠されています。朝早くからの仕事などは面倒だと感じられる事が多く、あまり苦にしない方にとっては、大きなビジネスチャンスです。
ネットを使った知識の伝承
今やシニア世代でも「パソコン」や「スマホ」を普通に使い、社会で仕事をされている方は大勢います。
ネットビジネスは初期投資がほとんどかからず、一人で始めることができる点が大きな強みです。例えば、ブログやサイトを立ち上げてアフィリエイト等で収益をあげるビジネスモデルはすでに一般化しています。
ただ最近はブログ収益も飽和状態で、メジャーな分野での新規参入ではまず勝ち目はありません。これまでの豊富な経験に基づいたナレッジの伝承などを「ニッチな領域」で展開できれば、シニア発信という希少性からも、関心を持たれる方は多くいると思います。
問題はそうしたネット関連の知識をリタイア後に一から学んでいては遅いという事。その点は戦略的に、少しづづでも良いので、将来を見据えて勉強や準備をしておくことが非常に重要です。
自分の好きなことをする
シニアの社会参加への期待は、少子高齢化で不足する労働需要に対しシニア世代も経済活動に貢献してもらう必要がある点はもちろんですが、シニア世代の健康寿命を伸ばし、増え続ける社会保障費用を抑制する側面もあります。
「やりがい」を持って仕事をすることで「生きがい」を感じることができれば、間違いなく健康を促進してくれます。シニア層の健康寿命が伸びれば、シニアの子ども世代が介護などの心配から離れることも少なからず期待でき、その結果、現役世代が社会で活躍できる環境が改善される点も大きな利点です。
すなわち、シニアにとっての「やりがいを感じられる仕事」という点では、若い時以上に、より「自分の好きなことを追求する」ことが大切な要素と言えます。
まとめ
少し昔までは60歳が定年、その後は仕事から離れるという時代がありましたが、今はシニアでも社会の一線で活躍する方がたくさんいます。
自分が求められること、自分が好きなこと、出来ることを見つけて社会に貢献できれば、生きがいとともに健康面の維持はもちろん、現役の子ども世代、ひいては社会全体へプラスの効果が広く波及します。
ぜひシニアからの起業を検討、あるいはシニア起業を目標とした準備を、今のうちからおこなってみてはいかがでしょうか?
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