中学受験に6年生からの通塾は遅すぎるのか? 実際、6年生からの1年間だけの通塾で中学受験に挑んだ我が家を振り返り、そんな問いについて考えて見ました。
目次
中学受験を終えて
2021年2月、我が家の中学受験は終わりました。結果、第一志望には届かず。しかし、親子ともにそれなりに気に入っていた学校への進学が決まり、まずは一安心。子どもの通塾は新6年生を迎えようとする2020年2月から。「もっと早くから塾に通っていれば」、そんな風に思うことも、正直、ありました。
お世話になったのは大手進学塾「N」。中学受験を考えているご家庭では当たり前ですが、6年生からの通塾は極めて異例。塾側も6年生からの受け入れは行わないところもあります。
結果は期待程には届きませんでしたが、子どもが1年間、それこそ休みなく勉強漬けで頑張ったプロセスを見てきた親としては、どこの学校に入ろうとも今は満足です。良い経験ができ、本人も大きく成長した事を実感しています。この手の話は周りから美談で聞きますが、実際に経験してみて本当に良く理解できます。
「中学受験は親と子の受験」 本当にそうだなと振り返り思っています。
中学受験を決めた時期
その考えが固まったのは5年生の秋も深まった頃の2020年11月。至った理由は大きく3つ。
- 周りの受験するお友達の影響
- あまりよろしくないお友達の存在
- 充実した中学・高校生活をおくる事への期待
1点目と2点目はよくある話かと思います。ウチの子は基本、根が優しい事もあり、あまりよろしくないお友達とも分け隔てなく付き合うような子でした。時に、良いように利用される事もあって、学校の先生にも「お人好し」を心配される程でした。同じ地元の公立中に通うことの心配は多少ありました。
3点目。これも良く言われる事ですが、親がどう考えるかでしょう。中高一貫を経験していない親としては、そもそも中高6年間の過ごし方の利点(欠点)が身をもって分からない。あまりこの点を真剣に考えもしない方もいるかもしれません。だって知らないのですからね。。ウチは両親ともに田舎の公立校育ち。正直、知識がなかったのは確か。
「大学受験」に向けたカリキュラムの中で、中高の6年間を有効に使えるという点は、まあ想像はつくのですが、中高の青春時代を高校受験というプレッシャーがない環境で過ごす事ができる点は、大学受験に向けた準備という目的がなくとも、十分に魅力的なのでは?と、ふと、真剣に考えてしまった訳です。
「高校受験のプレッシャーがなくエスカレーターに乗る料金を高い授業料と引き換えに買う」
なので、受験結果がどうであれ、いずれかの中高一貫校に入学させてあげたいという思いが強まったのでした。
塾選び
こうして始まった中学受験への準備として、まずは学習塾をどうするかから始まりました。何分、中学受験に関してはその時点で全くの素人。でも、この時期からやるにはガリガリ進んでいく塾は無理だろうし、そもそも塾側が受け入れてはくれません。そこで、割と「面倒見が良い」ことで評判だった「N」への入塾を考えます。学習塾はどこも入塾のためのテストがあり、そこで合否とともに、学力に応じたクラス分けが行われます。合否結果はよほど酷い成績でない限り、形だけのものかとは思っています。
2020年1月に「N」の入塾テストを受け、何とか入塾するまでには漕ぎつけました。思えば、この時点では、新型コロナの影響がここまで大きくなるとは全く予想もしていませんでした。。。
さて、入った教室は普通クラス(Aクラス)が3クラスと上位クラス(Mクラス)が1クラスの合計4クラスの教室。学力の下から順に、「A1」→「A2」→「A3」→「M」と上がっていきます。テストでギリギリだったウチの子は一番下の「A1」からのスタート。
「果たして、どこまでクラスを上げていけるのか」 中学受験に向けた1年の親子の中学受験が始まりました。
最初の公開模試
「N」の6年生では、ほぼ毎週日曜日はテスト。その中で毎月1回は全国の教室で統一的に行われる公開模試があります。何と!通塾を始めてもう1週間後には最初の公開模試。結果は。。。予想通りとは言えば、まあ、予想通りで悲惨な結果。
偏差値40⤵️、国語に至っては30台半ば⤵️⤵️⤵️。
塾の先生からは、
「最初の模試は仕方ない!」
「3ヶ月間は辛抱して努力!」
「今はとにかく勉強の習慣を作ることが大事!」
それでもこの数値だけ見れば不安ばかり。教室の中でもほぼビリな訳ですから。
さらに追い討ちをかける出来事が「コロナ」。2020年3月上旬から学校は休校となり、緊急事態宣言が発令されましたよね。その時、学習塾もほぼ軒並み休校となってしまったのです。「さあ、人より遅いが中学受験頑張るぞ」と張り切って入塾したは良いが、わずか1ヶ月で塾は休校(涙)。もう本当に不安しかありません!
6年生からの塾通いは遅いのか
結果から言いますと、ウチの子の場合、もう半年から1年前の入塾が最適ではなかったかと考えています。「なーんだ」という結果かもしれませんが、やはりそういう感想です。
塾での6年生の基本的なスケジュールは、夏終わり頃までに一通りの小学校の学習は終え、残りの半年で実践的な練習に入るケースが多いと思います。6年生からの入塾の場合、流石に前半の半年で、先取りの授業に追いついてマスターするのは短かったと思います。
中学受験のための通塾はいつからがおすすめ?
もちろん正解はないと思いますが、その子にとっての「最適なタイミング」というものは存在するのではないかという気はします。
ちなみに、一般的には小学3年生の2月(新小学4年生)が多いと思いますし、多くの塾でも、この辺りの入塾を進めていることが多いです。
↓↓↓ 我が子のお世話になった「N」では特に時期の推薦は明言せず。実際、親身にアドバイス頂きました。
基礎学力がある程度あり、追い込みの瞬発力があるお子様なら、1年間の通塾でも、十分な結果は残せると、私は考えています。決して1年間だけでは足りないとは思いません。
ウチの子は非常にコツコツやるタイプで、それこそペースを乱さず、やるとなれば継続して続けていける性格の子です。その代わり瞬発力は弱く、特に暗記ものをラストスパートでやっつけることは苦手。でも、うさぎとカメではないですが、結構コツコツやっていれば、半年といってもそれなりに結構時間はあります。ただ、やはりそれでも少々足りないかなという感想。もう半年あれば、随分と状況は違ったように思います。
ここぞという追い込みができるお子様の場合、それなりの学力があれば1年程度の通塾でも何とかなるような気はします。
そこまでの基礎学力がないお子様の場合、コツコツが苦手なタイプであれば、多少の山あり谷ありは覚悟、これを見越した上での知識定着を図っていくのに、3年程度の期間が必要なのかなという感じです。
コツコツと粘り強くやれるお子様の場合、1年半から2年程度の時間でも十分結果を残せる子どもは多くいると思っています。
こうした点に加えて重要なのは親の方の性格。子どもとのこうした性格の共通点が重要だと思います。親は自分が勉強する訳ではないため、子どもの様子を熱心にコツコツ見ることに苦を感じない、また、そうした環境にある事が望ましいと思います。ふと、あるした時に集中的に面倒は見るが、パッと目を離してしまう事も多いケースでは、なかなか良い相乗効果は生まれにくい感じがします。
私の場合は、正直あまりコツコツ面倒をみる方ではなかったのですが、母親は子どもに似て粘り強いタイプ。その点では、基本的な日々の相性は良かったと思います。
塾は早ければ早いほど良い?
中学受験を早くから真剣に考えているご家庭では、通常、4年生から通塾するかと思います。少し早目に3年生から準備で入るお子様もそれなりにいるかと思います。早くから塾に通うことは、やはりそれなりに犠牲を強いる部分はあるでしょう。その点はさて置き、ここでは、長く通塾している場合とそうでない場合の受験結果に対しての捉え方を考えたいと思います。
これは、どういうことか?
中学受験は、第一志望に合格できる子どもは全体の約3割しかいないと言われます。実に残りの7割の子どもは第一志望叶わず、第二志望もしくはそれ以下の志望校にしか合格できないことになります。実力通り或いは運良く志望の中学に合格できれば良いですが、不本意な結果に終わった場合のダメージは相当です。
繰り返しますが、第二志望以下にしか合格できないケースが圧倒的に多いのが事実。3年間、長ければ4年間、お金と時間をかけ一生懸命受験の準備を進めてきた結果、希望する学校へ合格できなかったという現実は、親子ともども相当な精神的ダメージを受け、特に親の方が後を引きずるケースが少なくありません。
通塾を早くからしていれば、こうした事態を避ける確率を下げることは可能かもしれませんが、確実ではない。現実にそうなるケースは結構多く起こり得ます。
まとめ
小学生の通塾に対する私の考えは、入塾は早ければ早いほど良いという考えは、まあ、ほどほどに。ここでご紹介した、入塾の最適なタイミングを、親子の性格から考えて判断する事も、一考の価値ありかと思います。そして、思わしくない結果となってしまうケースの想定は、通常、あまり考えるものではありませんが、中学受験に関しては、親は最悪のケースまでを受験間際には真剣に考えておく心の準備が必要だと思います。
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